2025年春以降、オランダでジャガイモの市場価格が大幅に下落している。背景には好天に恵まれた豊作と、ファストフード業界からの需要低迷がある。しかし、生産者が苦境に立たされる一方で、消費者の負担はほとんど軽減されていない。
オランダの銀行大手ABN AMROのアグリ&フード部門セクターエコノミストは「昨年は豊作だったうえ、ファストフードチェーンなどからの需要が予想を下回り、ジャガイモ市場は崩壊した」と指摘する。
フライドポテト用に適したジャガイモの市場価格は現在、100キロあたり4ユーロ未満。昨年2月には30ユーロを超えており、わずか1年で8分の1以下に落ち込んだ計算だ。
昨年の豊作により、オランダ国内では約1億キロの余剰が発生。多くの農家が大量の在庫を抱える事態となっている。ただし、この価格下落の恩恵は消費者にはほとんど及んでいない。
専門家によると、小売価格の約40%は農産物などの原材料費が占めるが、店舗の家賃やエネルギーコスト、人件費なども価格形成に大きく影響する。そのため、スーパーで販売されるジャガイモや加工品の価格が大幅に下がる可能性は低いという。
また、フライ業界団体の代表フランス・ファン・ローイ氏も「フリット店も同様のコスト増に直面している」と述べ、原材料価格の下落がそのまま販売価格の引き下げにつながらない現状を強調した。
生産現場と消費現場の“価格差”が浮き彫りとなる中、農家の在庫問題と収益確保が今後の課題となりそうだ。
2月25日 NU.NL
