オランダのデポジット制度、費用の大半は「返却されない容器」による消費者負担

オランダの飲料容器デポジット(statiegeld)制度は、消費者が返却しなかったペットボトルや缶によって生じる未返金分が、制度運営費の大半を支えていることが明らかになった。生産者団体Verpactのデータによると、2024年に消費者が受け取らなかったデポジット額は約1億4,000万ユーロに上り、制度全体の約75%を賄っていた。一方、製造業者側の拠出は3,300万ユーロにとどまった。

環境団体Fair Resource Foundationは、この負担構造を「著しく不均衡」と批判する。2021年から2024年までの未返金デポジット総額は約5億ユーロに達すると指摘し、消費者の不適切な廃棄に加え、回収設備や回収拠点への投資が不十分だった生産者側の責任も大きいと主張している。

これに対しVerpactは、未回収デポジットは法律に基づき制度に再投入されており、不公平ではないと反論する。缶へのデポジット導入後の2023年以降は、回収機の直接投資を進め、2023〜2024年に合計1億5,500万ユーロを投じたとしている。

法律では、生産者に対しペットボトルと缶の90%回収が義務付けられているが、これまで目標は達成されていない。ただし、監督当局の圧力により回収率は上昇傾向にある。今後は生産者の負担も増え、来年からは缶1本あたりの拠出金が現行の5倍となる1セントに引き上げられる予定だ。

回収率向上策として、Verpactはこれまで慎重だった「回収義務化(innameplicht)」の導入にも前向きな姿勢を示している。一方、環境団体は、制度開始当初から返金を重視せず、寄付型回収箱を優先してきた点を問題視しており、引き続き厳しい目を向けている。

NOS 12月24日