オランダの医療監督機関(NZa)のデータによると、消化器内科(胃・腸・肝臓を扱うMDL)の専門医を受診するための待機期間が長期化しており、一部では1年以上待たなければならない状況となっている。特に、ハーグ地域の病院であるHagaZiekenhuisとHaaglanden Medisch Centrum(HMC)では、待機日数が360日に達している。
HMCは、この問題が数年前から続いていると説明している。病院側は地域の家庭医(かかりつけ医)と協議を重ね、2025年初頭には代替手段として専門クリニックの利用を案内したという。
ただし、1年近い待機期間が発生するのは、主に緊急性の低い症状の場合だ。例えば、胸やけ(胃酸の逆流)などは長期間待つ可能性がある一方、血便など重篤な疾患が疑われる症状では優先的に診察が行われる。
HagaZiekenhuisも同様に、「症状によって待機時間は大きく異なる」と説明している。
地域だけでなく全国的な課題
HMCによると、地域の家庭医からの紹介患者数が、消化器内科の受け入れ能力を上回っていることが主な原因だという。しかし、この問題はハーグ周辺だけに限らず、オランダ全体で消化器医療の待機時間が長くなっている。
専門医不足が背景に
オランダ消化器病学会(NVMDL)の会長であるマノン・スパーンダー氏は、長い待機期間について「驚いていない」と述べる。
その大きな要因の一つが、消化器専門医の養成数の減少だ。約10年前までは年間40人の研修枠があったが、その後半減。当時の若手医師らの間で「将来的に専門医が過剰となり、失業者が出るのではないか」という懸念があり、養成数が削減された経緯がある。
しかし現在では、その影響が表面化し、需要に対して専門医の数が不足する状況となっている。結果として、患者の診察や治療開始までの待機期間が長期化し、医療現場の大きな課題となっている。
6月3日 NU.NL
