イランでの戦争勃発以降、世界的な原油不足と原油価格の高騰を背景に、石油業界が大きな利益を上げている。Greenpeaceの依頼による調査では、EU域内の石油産業が戦争開始以来、約360億ユーロ(約6兆円)もの追加利益を得たことが明らかになった。その多くは、自動車利用者向けの燃料販売によるものとされる。
一方、消費者からは「原油価格が上昇しているのに、なぜ石油会社はこれほど利益を上げられるのか」「ガソリン価格が高止まりしているのはなぜか」と疑問の声が上がっている。
専門家によると、ShellやBPなどの大手石油会社は、原油の採掘から輸送、精製、ガソリン販売までを自社で手掛けている。そのため、原油価格が上昇しても採掘などにかかるコストが大きく変わるわけではなく、販売価格との差額が利益につながる。
さらに、イラン情勢の悪化や地政学的緊張に加え、中東やロシアの製油所がドローン攻撃によって破壊されたり、生産を縮小したりしたことで、世界的に石油精製能力が低下した。燃料の供給不足が価格を押し上げている。
その結果、製油所を自社で保有する大手石油会社は、燃料の精製段階でも大きな利益を得ている。また、原油を安く仕入れて高く売る石油商社も、価格変動を利用して巨額の利益を上げているという。
つまり、原油価格の高騰だけでなく、燃料の精製能力不足による供給の逼迫が、石油会社の利益をさらに押し上げている。 一方、専門家は政府がガソリン価格を直接左右できる余地は限られていると指摘している。
11月4日 NU.NL
