宅配スーパー「ピクニック」、オランダで創業10年目にして初の黒字 海外投資で全体は赤字続く

オランダのオンラインスーパー「ピクニック(Picnic)」は、創業から10年で初めてオランダ国内事業が黒字を達成した。一方で、ドイツやフランスでの事業拡大に伴う大規模な投資が響き、2025年のグループ全体では最終赤字となった。

創業10周年を迎えた2025年、ピクニックの売上高は順調に増加したものの、最終損益は1億6,600万ユーロ(約280億円)の赤字となった。赤字の主な要因は、ドイツとフランスを中心とした積極的な事業拡大である。

同社は昨年9月、株主からの資金調達ラウンドで4億3,000万ユーロを確保。この資金を活用し、ドイツ・オーバーハウゼンのほか、オランダのユトレヒトやドルトレヒトに物流センターを新設・拡充した。

現在、ピクニックは約700都市で350万人の顧客を抱え、年間売上高は19億ユーロに達した。オランダ国内事業では400万ユーロの利益を計上しており、同社は年次報告書で「これは当社のビジネスモデルの有効性を証明するものだ」と評価している。

労働協約をめぐる対立も

一方、ピクニックは昨年、スーパーマーケット業界の労働協約(CAO)が自社にも適用される場合、オランダから撤退する可能性があると警告していた。

最高経営責任者(CEO)のミヒール・ミュラー氏は、スーパーマーケット向け労働協約が適用されれば、人件費が約40%増加すると主張。これは同協約に夜間勤務や日曜勤務に対する割増賃金が盛り込まれているためだ。

その後、オランダ社会・雇用省は、ピクニックはスーパーマーケットではなく電子商取引(eコマース)業界に分類されるとの判断を示した。

ただし、ピクニックが一時的にスーパーマーケット業界の労働協約の対象となっていた期間については、一部従業員に補償金を支払う必要がある。ミュラーCEOは経済紙『FD』に対し、この問題について現在も労働組合と協議を続けていると明らかにした。また、eコマース業界向け労働協約の内容についても、引き続き交渉が行われているという。

7月22日 NU.NL